◆ 電気刺激トレーニングの効果・その2 ◆

電気刺激トレーニングはパフォーマンス向上につながるか?

電気刺激トレーニング(electromyostimulation:以下EMS)は、対象筋群の筋活動量および筋トルクを増大させる効果があるものとして知られている。数多くの実験結果からその有用性についての認知度はかなり高まってきているといえるだろう。しかし、一方では「それは本当に使える筋肉なのか?」という疑問もある。いくら筋力が増大しても実際のプレーの現場でその効果が発揮できなければ選手にとっては意味がないのだ。
ここでは10名の男子バレーボール選手をEMSとプライオメトリックトレーニングを組み合わせた4週間のプログラム(週3回のセッション)に参加させ、その効果を調べた。
1回のセッションは膝関節伸展筋群へのEMS 48回、足関節底屈筋群へのEMS 30回および50回のプライオメトリックジャンプトレーニングで構成される。なお被検者は4週間のトレーニング終了後は通常のバレーボールの練習に戻り、プログラム開始直前、2週間後、4週間後、6週間後に垂直飛びのパフォーマンス、および膝関節伸展筋群・足関節底屈筋群の最大随意収縮(maximal voluntary contraction:以下MVC)を測定した。
MVCは膝関節伸展筋群・足関節底屈筋群ともに2週間後、4週間後と増大していったが、6週間後には若干低下の傾向を示した。なお増加の程度は2〜4週間より0〜2週間のほうが大きかった。垂直飛びのパフォーマンスは2、4、6週間後と増大していったが、0〜2週間より2〜4週間のほうが増加の程度が大きかった。EMSは前半2週間は神経適応(動員運動単位の増加)を促進させ、後半2週間ではコーディネーションを学ぶための神経結合を促進させるという効果があったものと思われる。

適切なトレーニングと組み合わせればEMSは筋肥大のみならずコーディネーション学習の促進効果も持つ可能性があることが示唆された。しかしこれが本当に幅広くトレーニングの現場で受け入れられるためには安全性の問題含めてさらに研究を進めていく必要があると思われる。

Maffiuletti, N. A. et al. : Effect of combined electrostimulation and
plyometric training on vertical jump height. Med. Sci. Sports Exerc., 34, 10, 1638-1644, 2002

▲カラダについての研究・メニューに戻る